Table of Contents Table of Contents
Previous Page  12 / 85 Next Page
Information
Show Menu
Previous Page 12 / 85 Next Page
Page Background

12

|

i m a g i n a t i o n G B . c o m

族とフォート・ウィリアムからウ

ェスト・ハイランド線に乗って、

景色のいい列車の旅を楽しん

でいた時のこと。シール湖周辺

の木々を抜けた途端、それが突然目の前に現れ

たのだ。娘がまず叫んだ。「ホグワーツ特急に乗

っているんだ!」全員が窓ぎわに集まった。我が

家は今まさに、西スコットランドのフィナン川にか

かる

グレンフィナン高架橋

を渡ろうとしていた。

全長30メートルの曲線をなす鉄道橋はビクトリ

ア朝時代に建造されたものだ

[visitscotland. com]

。それがホグワーツ魔法魔術学校へと導く

橋で、映画「ハリー・ポッター」シリーズに登場す

るものだとすぐにわかった。妻と私は大きな歓声

を上げたが、子供達は、今にも魔法の瞬間が起

きるかもしれないと期待するがごとく、息をのん

で静かになってしまった。

そのスリルに満ちた体験は、その後に英国中に

ある多くのハリー・ポッターのロケ地を訪れるきっ

かけとなった。ホグワーツ特急の旅はすべてロン

ドンの

キングス・クロス駅

「9と4分の3番線」から

スタートしなければならない

[kingscross.co.uk

]

行ってみるとハリー・ポッター好きの鉄道局が、

トロリーが壁を突き抜けるという映画と全く同じ

ようなシーンを再現していることがわかった。

ロンドンには数多くのロケ地がある。『ハリー・

ポッターと賢者の石』で、ハリーが初めて蛇と話

ができるとわかった場所は

ロンドン動物園

の爬

虫類館だった

[zsl.org]

。うちのハリーという13歳

の息子もそれを真似して何度も試したが、カエル

にさえも理解してもらえなかったようだ。ロンドン

から北西へ約1時間で大学都市

オックスフォード

に到着する。ここで最初に訪れたのはホグワーツ

の図書館、そして病院として使われた400年前の

ボドリアン図書館

である

[bodleian.ox.ac.uk

]

私は興奮した子供達によってオックスフォード

で最も古いカレッジである

クライスト・チャーチ

に引きずり込まれた。ウッドパネルの壁が美しい

ホールはホグワーツの大食堂のモデルだ。クライ

スト・チャーチの石造りの階段から、

ニュー・カ

レッジ

(『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』で

マルフォイがフェレットに変わってしまうところ)

の独特の回廊に至るまで、ファンは多くの見慣れ

たスポットに気付くだろう。各カレッジの詳細に

ついては

[ox.ac.uk

]

を参照していただきたい。

次はイングランド北東部のサフォークに向か

って東へと進路をとり、中世の村の一つ、

ラべナ

にやって来た

[discoverlavenham.com

]

。こ

こはハリー・ポッターの世界では「ゴドリックの

谷」として知られていて、村にあるデ・ヴィア・ハ

ウスはハリーの生家があるという設定だ。しか

しツアーのクライマックスは、ホグワーツそのも

のとも言えるノーサンバーランドの

アニック城

[alnwickcastle.com]

英国中に点在するハリー・ポッターの撮影ロケ地は、子供だけでなく、あらゆる年代が

魅了される不思議な魔力に満ちている。ある一家のマジカルな体験談を聞いてみよう。

ON

文:

Simon Heptinstall

写真:

VisitScotland/Kenny Lam, Alnwick Castle/Alan Mason, Getty

Potter

TOUR

ハリー・ポッターと

魔法の旅