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i m a g i n a t i o n G B . c o m家
族とフォート・ウィリアムからウ
ェスト・ハイランド線に乗って、
景色のいい列車の旅を楽しん
でいた時のこと。シール湖周辺
の木々を抜けた途端、それが突然目の前に現れ
たのだ。娘がまず叫んだ。「ホグワーツ特急に乗
っているんだ!」全員が窓ぎわに集まった。我が
家は今まさに、西スコットランドのフィナン川にか
かる
グレンフィナン高架橋
を渡ろうとしていた。
全長30メートルの曲線をなす鉄道橋はビクトリ
ア朝時代に建造されたものだ
[visitscotland. com]。それがホグワーツ魔法魔術学校へと導く
橋で、映画「ハリー・ポッター」シリーズに登場す
るものだとすぐにわかった。妻と私は大きな歓声
を上げたが、子供達は、今にも魔法の瞬間が起
きるかもしれないと期待するがごとく、息をのん
で静かになってしまった。
そのスリルに満ちた体験は、その後に英国中に
ある多くのハリー・ポッターのロケ地を訪れるきっ
かけとなった。ホグワーツ特急の旅はすべてロン
ドンの
キングス・クロス駅
「9と4分の3番線」から
スタートしなければならない
[kingscross.co.uk]
。
行ってみるとハリー・ポッター好きの鉄道局が、
トロリーが壁を突き抜けるという映画と全く同じ
ようなシーンを再現していることがわかった。
ロンドンには数多くのロケ地がある。『ハリー・
ポッターと賢者の石』で、ハリーが初めて蛇と話
ができるとわかった場所は
ロンドン動物園
の爬
虫類館だった
[zsl.org]。うちのハリーという13歳
の息子もそれを真似して何度も試したが、カエル
にさえも理解してもらえなかったようだ。ロンドン
から北西へ約1時間で大学都市
オックスフォード
に到着する。ここで最初に訪れたのはホグワーツ
の図書館、そして病院として使われた400年前の
ボドリアン図書館
である
[bodleian.ox.ac.uk]
。
私は興奮した子供達によってオックスフォード
で最も古いカレッジである
クライスト・チャーチ
に引きずり込まれた。ウッドパネルの壁が美しい
ホールはホグワーツの大食堂のモデルだ。クライ
スト・チャーチの石造りの階段から、
ニュー・カ
レッジ
(『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』で
マルフォイがフェレットに変わってしまうところ)
の独特の回廊に至るまで、ファンは多くの見慣れ
たスポットに気付くだろう。各カレッジの詳細に
ついては
[ox.ac.uk]
を参照していただきたい。
次はイングランド北東部のサフォークに向か
って東へと進路をとり、中世の村の一つ、
ラべナ
ム
にやって来た
[discoverlavenham.com]
。こ
こはハリー・ポッターの世界では「ゴドリックの
谷」として知られていて、村にあるデ・ヴィア・ハ
ウスはハリーの生家があるという設定だ。しか
しツアーのクライマックスは、ホグワーツそのも
のとも言えるノーサンバーランドの
アニック城
だ
[alnwickcastle.com]。
英国中に点在するハリー・ポッターの撮影ロケ地は、子供だけでなく、あらゆる年代が
魅了される不思議な魔力に満ちている。ある一家のマジカルな体験談を聞いてみよう。
ON
文:
Simon Heptinstall
写真:
VisitScotland/Kenny Lam, Alnwick Castle/Alan Mason, Getty
Potter
TOUR
ハリー・ポッターと
魔法の旅