英国生まれの極上チーズが楽しめるデスティネーション6選
チーズ好きのみなさん、英国で700品種以上ものチーズが生産されていることをご存知でしたか。うち14品目は原産地名称が保護されているのです。英国のチーズが世界のチーズとともに勢ぞろいするビッグ・チーズ・フェスティバルが今年3月、ブライトン競馬場で行われます。
まろやかなブリーから熟成チェダーまで、英国のチーズはその原産地や品種がさまざまです。ブリティッシュ・チーズを堪能できる旅先をご紹介しましょう。
ロンドン
英国への旅行は初めてという方には、カムデンにあるザ・チーズ・バーでチーズの冒険を開始してはいかがでしょう。職人たちが心を込めて作り吟味したチーズの盛り合わせ「チーズ・ボード」をお薦めします。ほろっとした食感が魅力のドーセット・ブルー・ヴィニーや、古くからの技術を用い手作業で作られたリンカンシャー・ポーチャーなどのいろいろな品種が楽しめます。
また、11月から2月の毎木曜日はチーズフォンデュがアルプス地方のキレの良いワインとセットで楽しめます。
サマセット
その肥沃な牧草地のおかげで作物の生産が大変に盛んなサマセットは、英国でもっとも有名なチーズ、チェダーの産地です。チェダーの町は古くは12世紀から酪農業の中心地として栄えてきました。チェダー・ゴージ・チーズ・カンパニーで、チェダーの伝統芸術的な生産方法を学べるセルフガイド・ツアーをお薦めします。またチェダー・ゴージ・アンド・ケイヴではチーズを熟成する洞窟を見学できます。
グロスター
グロスター市近郊の村ブロックワースにあるクーパーズ・ヒル。この丘に一風変わったチーズ・ローリング・アンド・ウェイク・フェスティバル、巨大チーズ転がし祭りが毎年スプリング・バンク・ホリデー(5 月の最終月曜日)休日に行われ、何千人もが参加します。重さ約4キロの丸型のダブルグロスター・チーズが急な丘の頂上から転がされ、競技者たちはチーズを捕らえようと懸命に駆け下りるのです。チーズの落下速度は時速約110キロ!
この祭りは1800年代に地元の住民たちによって始まりましたが、近年は国際的に人気が高まり、カナダやフランス、スペイン、日本からの参加者も。もちろん、グロスターシャーで作られるさまざまなチーズを堪能できるイベントも開催されます。
ケアフィリー、ウェールズ
豊かな歴史を持つケアフィリー・チーズはもともと地元の鉱夫たちの昼食に便利な保存の効く食材として生産されました。まろやかでほろっとしたこのウェールズ産ハードチーズは現在、残り唯一の生産者であるサウス・カナーヴォン・クリーマリー(クリーマリーとは酪農品製造所の意)で作られています。
さまざまな賞を受賞した洞窟熟成チェダーは、かつて炭鉱労働者たちが実際に働いていた場所であるレレウエード・スレート・洞窟で熟されています。チーズの製造過程が見学できる洞窟ツアーに参加してみてはいかがでしょうか。ウェールズは食のイベントが盛んで、毎年7月ケアフィリー城で行われるビッグ・チーズ・フェスティバルには8万人以上の人が訪れます。この祭典ではウェールズ産チーズの試食会やチーズ運びリレー競争などが催されます。
ウェンズリーデイル
イングランド北部の町ホウズで、本家ヨークシャー・ウェンズリーデイル・チーズを発見してみませんか。数世紀にわたり受け継がれてきた元祖の製造法で、今も手作りで作られています。現在は品揃えが数多くありますので、あなたの舌に合う風味が見つかるでしょう。
ウェンズリーデイル・クリーマリーで行われるクラスを予約してその製造工程を学んでみては。そしてジャーヴォ修道院をぜひ訪れてください。遡ること12世紀、ウェンズリーデイル・チーズの元となる羊乳製のブルーチーズがフランスの修道士によりこの修道院で作られたのです。
北アイルランド
キャウンティ・ダウンにあるマイクス・ファンシー・チーズは、クラウドファンディング活動の一環として2013年にオープンしました。オーナーのマイケル・トムソンはチーズ専門学校に通い英国を代表する職人たちから学んだ後、北アイルランド初の生乳ブルーチーズ「ヤング・バック」を開発しました。最高級のスティルトンに似た濃厚でクリーミーなヤング・バックは2017年、英国産最高チーズの座を争うグレート・ブリティッシュ・チーズ・アワードで「新チーズ生産者部門」最終選考進出者に選ばれました。
アイリッシュ・ウィスキー試飲イベント「ウィスキー・クラブ」やフード・フェスティバル、そしてマーケットなど美食ツアーに参加し、キャウンティ・ダウンの活気に満ちたグルメの世界をぜひお楽しみください。