英王室のかなり変わった伝統の話
王家一族には、お城に住める、豪華な服や高価なジュエリーを身につけられる、といった周知の特権があります。
ところが英王室には一風変わった慣習があるのです。なるほどと納得できる伝統や、時代遅れな面白おかしい決まり事もあります。ハリー王子との結婚が秒読みのメーガン・マークルさんは、5月に王家の仲間入りをする前に、これらの伝統を復習しなければいけませんね!
変わった伝統その1:英女王は誕生日を2度祝う?!
実際の誕生日である4月21日と別に、女王陛下には公式の誕生日があります。通常は6月の第2土曜日に祝われるこの日、夏生まれでなかった歴代の君主が、天候が恵まれる初夏の6月に公式の祝祭を行おうと決めたことから始まったと言われています。そのため4月より晴天の確率が高い6月にトゥルーピング・ザ・カラー(軍旗敬礼分裂式)と呼ばれるバースデー・パレードが行われます。
変わった伝統その2:英女王はパスポートを持っていない?!
女王は海外旅行にパスポートが必要ありません。英国の旅券は女王本人が発行していますから、自分で許可を出す必要がないのです! ちなみにエリザベス女王の夫エディンバラ公やその他の王室メンバーはパスポートの携帯が必須です。
変わった伝統その3:英女王は無免許運転をする?!
女王は運転免許証の取得とシートベルトの着用を免除されています。これは「王室の特権」のひとつで、国家元首が法制度を制定・施行し民事訴訟や刑事訴訟を免れていた時代の名残りだとか。それでも英王室公式ウェブサイトには「女王は法律を厳守するべく個人の行いに十分に注意を払っています」と書かれています。
変わった伝統その4:ロンドン塔のワタリガラスはとても貴重?!
17世紀、チャーズル2世が主権を握っていた時代、ある占い師が「もしワタリガラスがロンドン塔を去ることがあるならば、王国は滅びるであろう」と予言しました。以来ロンドン塔では最低でも6羽のワタリガラスを飼い、専門の飼育係「レイヴンマスター」が繁殖と飼育を行っています。
変わった伝統その5:英王室の子供は長ズボンを履かない?!
ジョージ王子がとても寒いイギリスの冬にでもショートパンツを履いていた写真をご覧になりましたか。これは上流階級や貴族そして王室に長く続く伝統で、かつては幼い子供に長ズボンを履かせるのは「いなか者」または「中流階級」とみなされていたとか。そのため王室の子供たちは膝丈のスボンを身につけ、8歳頃に「卒業」し長ズボンを履くようになります。冷たいひざ小僧と鳥肌の立つ足が上流階級の証とはびっくりですね!
変わった伝統その6:英女王はバグパイプの生演奏で起床する?!
伝統がすべてであるこの英王室。月曜日から金曜日の毎朝、女王は寝室の窓の外で奏でられるバグパイプの音で目を覚まします。「Sovereign’s Piper 」はハイランドを訪問した後のヴィクトリア女王により1843年に始められ、以来朝15分間の儀式が続いています。
変わった伝統その7:英女王は議員を人質に取る?!
さらに変わったもうひとつの習慣が「ステート・オープニング・オブ・パーラメント」議会開会時に行われます。女王がウェストミンスター宮殿(国会議事堂)の貴族院で演説を行う際、ひとりの国会議員が「人質」となりバッキンガム宮殿に送られ、女王が無事に帰宅するまで「拘束」されます。この儀式は数世紀前、君主と議会の関係がさほど友好的ではなかった時代、君主の身の安全を確保するために取られた予防措置として始まったのです。現在この儀式は単に過去の象徴として行われています。
以上は英王室の面白おかしい慣習のほんの一例です。風変わりかもしれませんが、豊かで魅力的な歴史を持つ王室の一部であり、これから何世紀にもわたり続けられていくことは間違いないでしょう。
王室に関係のある以下の観光スポットを訪ね、風変わりな伝統を肌で感じてみましょう。