フォートナム・アンド・メイソン Q&A。いつもそこにある優雅なコーナーショップ

by 江國まゆ
Thursday 29 April 2021

ロンドン中心部のピカデリー沿いに堂々とした姿を見せる老舗デパート、フォートナム・アンド・メイソン。その扉を開けたら、上等だけが揃う華麗なる世界へと迷わずダイブしましょう!  そこは300年前の記憶がとどまる場所。上流階級の人々のざわめきが今も聞こえてきそうなファッショナブルなストアです。ここを訪れる醍醐味は、最高級の食品や生活雑貨に気軽に触れることができること。それは一般のロンドナーや旅行者が日常で手にすることができる“王侯貴族と同じ” 楽しみ、と言っていいと思います。 

 

リッツ・ホテルもすぐそば。王室御用達の本物を扱うデパートです

リッツ・ホテルもすぐそば。王室御用達の本物を扱うデパートです。

 

ピカデリーの本店は1707年創業と、ハロッズよりも100年以上早く誕生しました。この店に来ると、空気に触れただけで心がしっとり潤ってきます。歩き回っていると目も心地よくマッサージされ、えも言われぬ高揚感を覚えます。なぜって全てが最高級の仕様に整えられ、英国が提供しうる優れた文化遺産とクラフト精神の粋が、そこに詰まっているから。そう言う意味ではミュージアムのようにも楽しめるのですが、もっと素敵なのは、その全てを手に入れることができること! ここで商品を買うという贅沢は、夢とロマンを手に入れることと変わりません。

 

最もよく知られる1階の紅茶&スイーツの売り場。重厚感がありますがカラフルです!

最もよく知られる1階の紅茶&スイーツの売り場。重厚感がありますがカラフルです!

 

フォートナム・アンド・メイソンでは6フロアに渡って食品やギフト、生活用品やファッション・アイテムを扱っています。カフェやレストランも備えた総合デパートですが、今回私がとくにフォーカスしてご紹介したいのは、食料品売り場です。それはこの厳しいロックダウン下でも、1階の食品ギフトと地下の生鮮食品売り場だけは途切れることなくオープンしており、ロンドン中心部に暮らす地元の人々の光となっているからなのです。まさにストリートで輝き続けるロンドンの宝ですね。

 

地下の生鮮食品売り場。夢のようなグルメ食材の宝庫。お酒もこのフロアです。

地下の生鮮食品売り場。夢のようなグルメ食材の宝庫。お酒もこのフロアです。

 

フォートナム・アンド・メイソンの食品は通常のスーパーと比べると明らかに3倍から5倍のお値段なので、ロンドナーとして普段の暮らしにはさほど関係ないとずっと思っていたのですが、このロックダウンで180度、見方が変わりました。というのも私自身、ここ数ヵ月で何度もこのエンターテインメント・スポットに通ってしまい、いろんな発見があったからです! そして「嗜好品は贅沢品であり、生活の敵だ。たまにお土産として買うだけで良い」という狭い考え方の外側に出ることができたからです。このロックダウン中、自分を楽しませるために何ができるか? そんなことをたくさん考えた結果かもしれませんが、私は少なくともこれからは年に1、2回ではなく、もっとたくさん通おうと思っています。

 

そして今回、この記事を書くにあたって、フォートナム・アンド・メイソンの食品バイヤーであるサラさんのご協力を得て、社内の関係者の皆さんへ書面によるミニ・インタビューをさせていただきました。それを皆さんとシェアさせていただきますね。

 

フォートナム&メイソンのスタッフに聞く!

華麗なる食料品売り場の魅力

 

Q. 食料品売り場で最も人気のある商品を教えてください。 

 

A. 間違いなくロイヤル・ブレンド・ティーや、トフォロッサス・ビスケットなど、幅広い種類を取り揃えているお茶とビスケットです。当社のベストセラー商品は、いろいろな理由でお客様に気に入っていただけていると思います。例えば興味深い開発秘話などの商品ストーリーですね。こういった品を日常の中に取り入れていただくと、特別な毎日をお送りいただけると思いますよ。本当に美しいパッケージで包装されていますし、美味しさは格別ですから。

 

ロイヤル・ブレンド・ティー

 

Q. 私たちが見逃しがちなオススメ商品があれば、教えてください。

 

A. 地下の生鮮食品売り場では豪華なスモークサーモンのシリーズを販売していますが、「ピカデリー・スモークサーモン」という名の商品は、フォートナム&メイソンの屋上で燻製されたものです! また当社では1738年、旅行者用の携帯食品として、初めてスコッチエッグを開発しました。いまでは広く英国中で食べられている見逃せない名物です。

 

旅行者用の携帯食品として、初めてスコッチエッグを開発

 

Q. 最近のオススメ新商品を教えてください! 

 

昨年のクリスマス直前に発売されたトリュフ・レアビットはおすすめですね。「ウェルシュ・レアビット」と呼ばれる料理は、スライスしてトーストしたパンの上にチーズ・ソースをのせたもので、18世紀に開発された当時はおどけた感じで「ウェルシュ・ラビット」(ウェールズのウサギ)と呼ばれていました。でもこのチーズ・トーストにウサギ肉は使われていないため、後に「レアビット」と改名されたのですよ。当社のトリュフ・レアビットは、昔ながらのウェルシュ・レアビットに、黒トリュフを取り入れたものです。これが実に風味豊かで素晴らしいのです。

 

この容器が欲しいな 笑

この容器が欲しいな 笑

 

Q. ロックダウン中も素晴らしい惣菜を提供し続けていますね。地元コミュニティではどのように受け入れられていますか? 

 

A.  地元のお客様はロックダウンの間、ずっと当店でお買い物をしてくださっています。明らかにご自身へのご褒美としてお買い求めになっている方が多いと感じています。精肉セクション、またキャビア売り場は過去1年間で驚くほど売上を伸ばしました。特にヒマラヤ・ソルトを炊いた燻製室で完全に乾燥熟成させたアイルランド産のハンナン・ビーフは大人気です。ロックダウン中も新鮮な果物、野菜、パン、パスタ、サラダ、サンドイッチなどをお客様にご提供することができており、皆様にじっくりとお買い物を楽しんでいただいております。シェフたちもカウンターで素晴らしい料理をご提供できるよう、とても熱心に料理に取り組んでいますよ。

 

Fortnum & Mason フォートナム&メイソン

デリやサンドイッチは閉店間際に少しだけ価格がお安くなり、割引狙いのご近所さんもちらほら。

デリやサンドイッチは閉店間際に少しだけ価格がお安くなり、割引狙いのご近所さんもちらほら。

 

 

ありがとうございました!

 

ロックダウン中でもずっとオープンしているフォートナム・アンド・メイソンとのQ&A、いかがでしたか? 

 

自社ビルの屋上で燻製したスモークサーモンがあるなんて! 全く知りませんでした。今度行ったらのぞいてみたいと思います。スコッチエッグも種類が豊富なのでいつも目移りします。また季節の商品もおすすめです。クリスマス商品やイースター商品などパッケージにも工夫を凝らした最高のレンジが取り揃えてあり、商品開発力の高さにいつも目を見張ります。先日訪れた際には、色とりどりのイースター・エッグや珍しい味を組み合わせたホットクロス・バンズに混ざって、こんな芸術的なビスケットがあり、とても愉快な気持ちになりました!

 

Fortnum & Mason フォートナム&メイソン

Fortnum & Mason フォートナム&メイソン

 

フォートナム・アンド・メイソンはその歴史を通して顧客だけでなく、従業員たちの福利厚生を大切にしてきました。また戦時中は兵士に食糧を提供したり、王立キュー・ガーデンに珍しい中国茶葉を寄付したりと、社会貢献も理念として高く掲げています。戦争中にフォートナム・アンド・メイソンの美しいパッケージに包まれた品々を受け取ったら、兵士の皆さんも咽び泣いてしまうかもしれないですね。

 

インタビューの中でも触れられていますが、フォートナム・アンド・メイソンが「非常時にあってご褒美感を与えてくれる貴重な存在」であることは間違いないと思います。戦時や、あるいはロックダウン下にあって、人々の心に灯をともし続けている存在……。

 

「グラマラスを日常に。」そんなキャッチコピーを捧げたいフォートナム・アンド・メイソン。こういった日常の贅沢を、もっともっと自分に許してあげていいのかなと思わせられたここ数ヵ月でした。贅沢にストップをかけているのは自分だけ。食べるモノ、使うモノを選ぶのも自分です。自分にどれだけの価値があるのか、そんなことを知れば知るほど、きっと最高のものを選びたくなってくるでしょう。

 

 

Fortnum & Mason 英国の公式ウェブサイト:

https://www.fortnumandmason.com

 

日本のコンセプト・ストアの公式ウェブサイト:

https://fortnumandmason.co.jp

 

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Author

江國まゆ

あぶそる〜とロンドン編集長。東京で書籍編集・雑誌編集・ライターを経て1998年渡英。英系広告代理店にて10年に渡り各種媒体の日本語コピーライティングを担当した。2009年からフリーランスとなり、日本のメディアに記事を寄稿中。2014年にイギリス情報ウェブマガジン「あぶそる〜とロンドン / Absolute London」を創設。著書に『歩いてまわる小さなロンドン』(大和書房)『ロンドンでしたい100のこと〜大好きな街を暮らすように楽しむ旅』(自由国民社)がある。www.absolute-london.co.uk

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